いやぁ、今日は上手く注げたぞ。
どんなもんじゃい。

アンカー・ブレックルズ・ブラウン(ANCHOR Brekle's BROWN)だ。
容積は、アメリカ式に12(フルード)オンス。度数、6%。
オールモルト・シングルホップ・ブラウンエール。
メイド・イン・サンフランシスコ、USA。
輸入者は三井食品株式会社だとのこと。
栓を抜けば、セロリを思わせる爽やかで苦味の入り混じったホップの香りがふわりと広がり、グラスに注げば蠱惑的なトパーズ色の輝きを放つ。
口に含むと、香ばしくもまろやかな麦の甘味と、香りほどに自己主張しすぎないホップの苦味が上手くマッチして、スイスイと喉を通る軽快な味わいだ。
ラベルの能書きを見るに、何やらシトラスを思わせる風味であるらしいが、俺はどっちかというと花壇に植わっているハーブのように感じるかな。
まあ何にせよ、口に入れた瞬間から舌にしっくりと馴染むこの感じは、余りゴテゴテと味付けされていないビスケットやパンを思わせる味だ。
月並みの言い方をすれば、素朴なのだ。栓を抜いた瞬間に感じた華やかな匂いに比べると、呆気なさを感じるくらいに、落ち着いた味だ。
しっとりとして、たおやかな舌触り。それに尽きる。そうしてホロホロと舌の上で転がしている内に、隠された旨みがじわっと染み出てくるのだ。
例えばホブゴブリンのようなピリピリとしたアルコール味や、ロンドンプライドのような突き抜けたフルーツ香とは違った仕上がりだ。
全粒粉を練って拵えた生地に、ハーブやらドライフルーツを練りこんで焼き上げたパンのように、飲んでいる内に何となく風味が解るような感じ。
それを捉え所の無さと一蹴してしまうには余りに無粋だ。きちんと自己主張すべき個性は持っているが、それをひけらかすようなことはしない。
押し付けがましくなく奥ゆかしい味とでも表現すべきだろう。
……成る程、これは奥が深そうだ。
リバティーエールを先送りし、敢えてこちらのブレックルズ・ブラウンを先に飲んでみたが、これは中々に安定した旨さを持っているエールだ。
これは「真打」の方にも期待させられるというものである。
では、今回はこの辺でさいならー (・А・)ノシ
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