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【2024/05/14 11:38 】 |
星マークのビールといえば……。
まあ、日本人ならまずサッポ○ビールを思いつくわけなんだが。
 違います。でも、この王冠の星マークは……(笑)。
 さて、イネディットだ。冒頭から恥を承知で白状するのだが、私は今までこの酒が、イタリア製なのだとばかり思い込んでいた。
 ……だがしかし、いざ商品を手に取って買う段になり、まじまじとラベルと見つめてみると、何とスペイン製と記してあるではないか。
 本気で、その時初めてスペイン製だということを知った(笑)。
 半端知識の知ったかぶりって嫌ねぇもう本当に……。

 コレは、あるショッピングモールの酒コーナーの片隅、ポツリと一つだけ、売れ残っていたのを一回見逃したんだが、二回目で確保したものだ。
 一回見逃した理由は勿論、ある。
 みみっちい話ではあるが、貧乏人からすれば、一瓶辺りの値段はネックだ。
 そのお値段は、750ml/998円。330ml(小瓶)換算で、凡そ440円となる。
 だが……後から冷静になって考え直してみると「別に高くないじゃん」。
 そう。イネディットは一瓶辺りの値段こそ高いが、それだけ一本辺りの内容量も多いのだ。小瓶換算で440円ってのはまあ、中~中の上って具合かな。

 内容量からワインと比較しても、その結論は変わらない。一本998円のワインというのは結構デイリーというか、普及品に近い価格帯だ。
 少なくとも、値段の高さに文句を言う価格帯とは言い切れない。
 もっともビールは、炭酸が入っている都合上、内容量/値段だけで安直にワインと比較しきれない部分もあるということはお忘れなく。
 ひょっとするとこのビールの仮想敵は、同じビール同士というよりは、シャンパンとかのスパークリング系ワインなのかね。

 中身の話に移ろう。うーん、だがしかしこれは……。
 実はこのイネディット、ビール瓶のネックに小さな紙のタグが付けられていて、そこにご大層な能書きがつらつらと書き連ねてあるのだが。
 まあそれを簡潔に纏めると、「このビールは麦芽とスパイスでできているぞ!」そして、「どんな料理にもマッチするぞ!」とこんな感じだ。

 うーんその概略(というかその威勢の良さ)は、半分は当たっていながらも半分は外れているかなぁ……という気がする。
 つまりだ。そういう能書きを最初に見せられたら、「ああ……このビールは色んな材料をブレンドした上で造られているからして、さぞ複雑な香味がするんだろうなぁ」と、まずは誰でもそう思うのではなかろうか?
 違う。それは断じて違う。それとも、私の鼻が詰まっているだけか?

 だから私は、最初の一口を飲むまでは、このビールに対して酷く苦手意識を持っていた(笑)。自分で考えた末に買っておきながらだ。
 で一口飲んだ結果は……まあ、驚くほど普通のビールだ。それは低刺激で、麦の味が豊かで、ゴクゴクと飲めてしまう「普通のビール」。
 だがしかし、後味に注意を払えば……「喉の奥で朧気に、何かなんとなくスパイスめいた変わった風味」が湧き上がってくるという感じだ。
 そう。それがこのビールのミソなのだと私は考えた。
 “イネディットは、あらゆる料理との相性を考えて創られました(原文ママ)”とは、つまるところそういうことなのだ。
 前口上ほど、ビール自身(の持つ個性)が自己主張することはない。
 寧ろ、イネディットが食中酒として提供されるべき「料理」の味を損なわぬよう、意図的にニュートラルな風味にしてあるではないだろうか?
 飲み続けていれば、その“スパイス”とやらの意味が段々と解ってくるのだが、それは決して料理の味を邪魔するほどではない。
 あくまで華を持たせる「相手」を念頭に置いた、脇役に徹する酒だ。
 そう考えれば、漆黒のボトルは何となく黒子を思わせるものだ。

 これは、かなり意外というか全く想像していなかった酒質である。
 私が今まで飲んできた酒というのは、大概「俺が私が」と言わんばかりに、やんちゃざかりで自己主張の強いものばかりだった。
 脇役に徹する酒だと理解して飲めば、そのニュートラルな麦芽の味と、仄かに余韻として残るスパイスの後味は、却ってスマートにすら思える。
 多分だが、メインは料理ということなのだろう。そして料理に華を添える為に、仄かながら複雑な余韻を残すビールが、食中酒として傍に侍る。
 実際のところ同じ食中酒として提供するにしても、ビールとワインでは全然風味が異なる、全く違った種類の酒である。
 同じ料理と抱き合わせても、味わいが違ってくるのだろう。
 それであればこそ、この「拍子抜けするほど普通の味わい、ビックリするほど普通のビール」に説明が付くのではないだろうか?
 タグの能書きに “前菜、サラダ、脂ののった魚料理との愛称は素晴らしく” とあれば……フムフムなるほど、試してみずにはいられない。

 黒無垢のボトルは、一目見たときにフォーマルな印象を受ける。だがしかし、その実像は思った以上にカジュアルで気の利く奴なのかもしれない。
 決して自分自身が主役というわけではなく、誰か引き立てるものが傍にあってこそ、その輝きにそっと華を添えるような、そんなビール。
 何となくだけれど、私はそう思った次第である。

 さて……ビール瓶には後もう一杯注げるくらいのビールが残っているようだ。何せ一本で、750mlも入っているのだから。
 そういえば、まだ夕食を取っていなくて腹が減っていたところだ。食中酒としてどんな働きを見せてくれるか、ここらで一つ試してやろうではないか。
 では、今回はこの辺で。

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【2015/11/11 19:20 】 | ビール | 有り難いご意見(0)
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